ぬくみちゃん(温水箱)は、ごく簡単にいうと、

 無題

・透明で光を通す箱を、ベランダや家の南側外壁など光がよく当たる場所に据える

・箱には中に収めるものを出し入れする扉があり、閉めると密閉状態になる

・中に黒いやかんなど光を吸収しやすい容器を、水を満たして据える

というシンプルなものです。 シンプルなので、材料集めから完成まで1日もかからないでしょう。 屋根の上に据えつける太陽熱温水器と比べるとコンパクト極まりないですし、 ソーラークッカーに比べると熱を集めるためのパラボラなど付いてないので能力は高そうには思えないでしょうが、 天気が良い日であれば、春~夏~秋の間 最大温度は65~75度に達し、 年間最高は80度に達するほどの能力があります。

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上は秋の晴天日に、初代温水箱で試してみたときの水温変化です。9時過ぎに太陽の光が当たり始めてから温度は急上昇し、15時過ぎには最高温度になっています。 その後作ったモデルではこれより加熱能力が高くなっています。

003 初代温水箱。

温度変化がゆっくりなので、朝に水を入れたヤカンをセットし、昼から夕方の高温時にお湯を回収し、ちょっと沸かしてティータイムにしたり、ポットに一旦貯めておき夜の料理に使ったりという使い方になります。

コンロのように5分そこらで沸騰させるような急速なものではありません。 量もヤカンに入る2リットル程度と、調理や茶には便利でも風呂に使えるようなレベルではないです。 湯温も曇りの日にはぬる湯といった感じです。

まさにスローライフ!といった感じの道具なのです。真夜中まで誰も帰ってこないような生活スタイルではなかなか活用できないかもしれません。

うちは夫婦と母親の3人家族ですが、うまくライフスタイルに合致したのか、天気のいい日は毎日使っています。うちでは年間の稼働率は50%くらいに達しているのではないでしょうか。

夕食やお茶用に使い、残ったり使いそびれたら皿洗い、顔洗いなどで活用しています。 湯温がまちまちなのは、却って楽しいものです。特に冬から春、夏となり日射時間が長くなるにしたがって最高湯温が高くなって行く様は、まさに「沸く沸く」します。