白木発電村 小水力発電シンポジウム
さて、水の位置エネルギーは、その多くが太陽の熱により供給されます。
水力発電もぬくみのエネルギーだ!
ということで、白木発電村の開所式及び、小水力発電シンポジウムに行ってきました!
まずは現地。うきはインターの近く、主要道から小さな川沿いの集落に入ります。
参加の方の車が沢山入ってきていました。
発電所全景はこんな感じです。ここから6mの落差の地点からパイプ流れ込みで水を引込んでいます。
水車小屋の水車にパイプから直接水を当てています。
水車小屋内には増速器、発電機(110W発電) と蓄電コントローラ、バッテリーがありました。
発電した電力は蓄電池に貯められて、今のところイルミネーションに使用されています。
発電所の水路下流には、インドネシア製という投げ込み式発電機があり、
さらに下流には、らせん型の発電機「ピコピカ」が備えてありました。
現地見学の後、杷木地域生涯学習センターで小水力発電セミナーが開催されました。
最終的には100名もの参加者で席が埋まりました。
研究者、実際に各地で取り組みをされている方、興味を持たれている方などさまざまでした。
杷木白木は過疎の集落で高齢化が進み小学生がいないということです。
そのなかで集落の特徴といえる水を生かした地域づくりの運動に発展しており、現在多くの方が関わっているようです。
中心となった住民の方の他に、九州大学の学生さん、糸島市の機器メーカが取り組みに関わっており、それぞれ、今回の発電所開所に至った経緯について発表されました。
その他、淡路島など他の地域での小水力の事例や、中学生・高校生の研究などもあり興味深かったのですが、
今回のセミナーにおいては、発電能力云々というよりも、地域が小規模の水力発電に取り組むということに焦点が絞られておりまして、そこで多く語られていたことは、
「事業を立ち上げて発展させていくそのプロセス自体に、大きな意味がある」
ということです。
今回の発電所も、発電能力はそれほど大きいものではありません。
しかしこれを発案し、いろんな所で学び、多くのいろんな立場の人たちが話し合い協力し、実際に手足を動かし、いろんなトライ、いろんな失敗を経て形が出来上がっていき、多くの仲間で開所を祝う
そういうドラマはこの水車発電なくしてはあり得なかったことでしょう。
そして、水車発電は、太陽電池みたいに手間のかからないものでなく、その場所その場所において構成、構造を変えないといけない、という特殊性があります。
むしろそこに挑戦があり、学びがあるのでしょう。
仕事として小規模発電に取り組んでいる身としては、トラブルなくスムーズに事が運ぶことをよしとしてしまいますが、このようなチャレンジある取り組みもないと、勉強せずに終わってしまうでしょう。
近場ではエコビレッジの不安定な小さな流れくらいしかありませんが、小さなものでも結構いろんなものを学べるかもしれません。