温水箱の浄水能力
温水箱は基本的にお湯を温める装置なのですが、
使い方によっては水の質を少しだけ良くすることが出来そうです。
(水道水の消毒に使われている塩素系消毒剤に「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸カルシウム」があり後者はカルキと呼ばれます。これら、水道水に残っている塩素系消毒剤を残留塩素といいます)
自分で人体実験しているとはいえ、いろんな人に使っていただきたいので安全性や効能は調べておきたいところです。
水の問題として、水道水の美味しくなさがまず頭に浮かびました。どうしても消毒用の塩素の臭いが気になることがありますよね。冬の間はともかく、水を温めたり、夏になったりするとその臭いがよりきつくなるような気がします。
そこで、家庭でも簡単に残留塩素の状態を調べられるものを探したところ、ウォーターチェッカーというものを知りました。ネットで簡単に購入できます。
水道水にウォーターチェッカーを入れるとピンク色に染まります。
コップの底から一定量残して、上から見た色を写真サンプルと比較します。
一番右の1.0ppmに近そうですね。
さて、このウォーターチェッカーを使い、いろんな条件での水の浄化具合を確認しました。
水の浄水に役立つという竹炭も使ってみました。
(1)水道水汲みたて
(2)水道水を半日温水箱で加熱(やかんの注ぎ口にラップをかける)
(3)水道水を半日温水箱で加熱(やかんの注ぎ口にラップをかけない)
(4)水道水を半日温水箱で加熱(やかんの注ぎ口にラップをかける)、竹炭を使用
(5)太陽光に暴露
(6)屋内放置
(7)屋内で竹炭を入れる
試薬を入れた結果としては、
(1)は赤く染まり、1.0ppm程度のようです。
(6)も(1)に対して大きな変化なく、室内放置では塩素は抜けないようです。
(7)は試薬を入れてもほぼ透明で、0.05ppm以下といえます。
(2)は(1)に対して色が薄くなりました。0.4ppm程度と思われます。
(3)では赤色がかなり薄くなりました。0.05ppm程度と思われます。
(4)もほぼ透明となりました。0.05ppm以下と思われます。
(5)ほぼ透明になりました。0.05ppm以下といえます。
左から(2)温水箱(注ぎ口にラップ)、(5)日中暴露、(6)室内放置、(7)室内(竹炭使用)
違いの程度に差はありますが、塩素の抜け具合としては、
(7)>(5)>(4)>(3)>(2)>(6)>(1)
といった感じです。
これより、残留塩素を抜く方法について考えてみると、
<竹炭>
かなり浄化能力が高いです。水に対しての量が多ければ多いほど綺麗になるようです。温水箱の場合は洗った竹炭をお茶パックに入れてやかんにポン、だけなので取り扱いも比較的楽そうです。
<太陽光直射>
これもかなり塩素の除去に効果を発揮します。やかんが不透明なので通常はその効果を利用できませんが、水に直接紫外線があたるような容器を使えばその効果を利用できそうです。
<熱>
加熱により塩素が水から抜けることは促進できたのではと思います。ただ、(2)(3)の違いからして、逃げる先を確保していないとその効果が限定されるようです。
温水箱も残留塩素抜きに一定の効果がありそうですね。そして、これまで耳にはしていたけど確認できてはいなかった竹炭の浄化能力の一端を見ることが出来ました。
次回は、この結果を踏まえて、温水箱や竹炭をどのように水の浄化に生かせればよいか考えてみましょう。