ぬくみ実験(14)アルミ板にソーラーペイントを塗った集熱板の効果
前回は幾種類かのやかんに太陽熱を吸収しやすいようにソーラーペイントを塗布してその能力を確認しました。
今度は、反射板の代りに、アルミ板にソーラーペイントを塗布した集熱板を温水箱に用いた場合どうなるか、の検証です。
2014/6/4
写真後ろ:背面板と底板がアルミ板の反射板を用いたもの
写真手前:背面版と底板にソーラーペイント塗布したアルミ板の「集熱板」を用いたもの
やかんはいずれも黒いほうろうやかんです。
予想ですが、反射板の場合は反射した光がやかんに当たり加熱を助けるでしょう。
一方集熱板の場合は一旦集熱板自体が温まり、温水箱内の空気温度が高くなることでやかんの温度を間接的に高める効果があると思われます。底の板とやかんの間には断熱シートを敷いているので集熱板からやかんに直接伝わる熱はわずかと考えられます。
結果ですが、アルミ板の反射板のほうが若干温度が高くなっています。
今回の条件では、反射板を集熱板に置き換えることによって特段加熱に有利になることはないと思われます。
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さて、集熱板を用いて、空気を経由した間接的な加熱を行ったものの良い結果は得られませんでした。今度は集熱板の熱を直接やかんに伝えたらどうなるかを試してみます。
今回は背面側を両方とも反射板にして、
片方はアルミ反射板を底に敷いてやかんとの間に断熱シートを敷き、
もう片方は集熱板の上に直接やかんを載せました。
結果、集熱板に直接やかんを載せた方が、最高で8.6度も温度が高くなりました。
これは明らかに加熱性能が高くなっています。
一方で、13時過ぎにピークを迎えた後、日射量が足りなかったため温度が早めに低下していますが、その際の下がり方が、集熱板に直接載せたほうが急峻のように見えます。
集熱板は、熱を吸収して、やかんに伝えることに力を発揮しますが、冷える際には逆に放熱の助けになって冷えやすくなっているのかもしれません。
とはいえ、この集熱板の加熱能力はなかなかに魅力的です。熱を逃がさない工夫をすることで、温水箱のお湯づくりの強力な助けになるのではないでしょうか。