ぬくみ実験(12)ソーラーペイントについて
さて、最初にアクリル工場に試作依頼したぬくみちゃんには、底板、扉共にアクリル鏡を採用していました。
アクリル鏡を使う場合、既成の材料を切断加工して透明アクリルと接着すれば良いので仕事としては簡単でした。反射も良好で加熱性能も悪くなかったと思います。去年最高80℃を記録したときもこのアクリル鏡を使用していました。
しかし、この品には欠点があります。普通鏡の裏の面は使わないため、薄汚れた感じの緑色できれいな見栄えではありませんし、その面は傷付きやすくてとても製品の外面としては使えません。
そのためカッティングシートを張っていたのですが、これが蓋の反りを助長してしまうことがあって、使いづらい品であることがよくわかりました。
ということで、これまで反射板の材質を変えての研究を行ってきました。内側にアルミ板などの反射材を後付することでも、反射板としての能力を発揮してくれます。
一方で太陽光を反射してやかんに当てるのではなく、太陽の熱を板自体で吸収してやかんに伝える集熱材を使った方法も効果があるのではと考えました。
また、やかんについてもこれまでほうろうの黒やかんを使ってきましたが、それ以外の材質を用いることで加熱や保温の能力を高めることが出来るかもしれません。
そこで、アルミ板ややかんに黒い塗料を塗布すれば、オリジナルの集熱装置になるのではと考えました。
そして購入したのがソーラーペイントです。太陽熱温水器などの熱コレクタなどに使われている特殊品ですがネットで購入できます。
テストなので1~2リットルで良かったのですが、一斗缶でしか扱っておらず、価格も結構高いものでした。
下の大きな缶の液と上の小さな缶の液を混ぜて、あとは別途薄め液で調整して吹き付けて焼付塗装で塗装します。
小型風車のポールを塗装する時などにお世話になった北九州の工場さんに塗装をお願い致しました。
手前の左が銅、右がステンレス
奥の左がアルミ、右がほうろうです。
あとは底板用、扉の反射板用のアルミ板も準備しました。
ちゃんと塗装可能かの検証も兼ねてこれらに塗装を行うのですが、
なんと、銅のやかんの表面にクリアコートが施されていました。なんとも邪魔なことをしてくれたものです。
これが残っていると塗装の邪魔になりますので、まずはペイント剥がしから行います。
ペイント剥がし用のケミカルはホームセンターなどで買えますが、強い溶剤なので慎重に作業します。見えない塗装が落ちる落ちる!
そして塗装を行いました。
どうでしょう?綺麗に塗れているような気がしませんか。
実際よくできていて、軽くこするだけでは塗装場所がはげたりすることは無さそうです。
これらを使って、ソーラーペイントを使ったやかんや集熱板の実力を調べていきます。