ぬくみ実験(8)やかん注ぎ口にラップで蓋をする
さて、随分間が空いたぬくみ実験ですがぼちぼち公開を再開いたします。
ぬくみちゃん本体の密閉度を高めることで加熱能力が結構高まることを確認できたのですが、今回はやかんの密閉度に関わる内容です。
ぬくみちゃんでお湯を作り始めて、なんとなくですが最初はやかんの注ぎ口にラップをして測定を行っていました。その方が熱が逃げずに温度が高くなるかと思ったからです。
しかし、試しにラップをかけずに晴れた日に測定してみると、最終温度はラップをしていた時とそん色がありませんでした。
そういうことがあり、またラップの残骸を大量に作るのはあまり嬉しいことではありませんので、ある時からラップをかけるのをやめてしまいました。
今回はそのラップがどれだけ加熱や保温に効果を持っているのかを調べました。
結果は面白いものでした。ラップをすることで午前の温度が確実に高まりました。しかし午後になると差は縮まり、最高温に達する14時以降はほとんど差がなくなりました。
これは、注ぎ口から熱が逃げる要因と思われる、注ぎ口内の空気対流が、低い温度域では影響が強く、高い温度域ではその影響が小さくなったということでしょう。
高い温度域では「やかん表面が光を受けて発熱する~やかん表面から熱が逃げる」のバランスが温度を決める大きな要素になるため、相対的に小さくなったのかもしれません。
最終的な温度には大きな影響がないということは確かなようです。とはいえ最高温度あたりで熱が逃げない工夫を今後施せば、この低い温度でのアドバンテージを最終温度に持ち越せるやもしれません。
以前紹介した注ぎ口のキャップより、少し小さめのものを見つけました。これもシリコン製の試験管キャップです。これはコンパクトですし、先のと比べて僅かでも太陽光を遮らないという意味ではアドバンテージがあるかもしれません。