ぬくみ実験(13)やかん材質による温まり方の違い
6月上旬
各種やかんにソーラーペイントを塗装することが出来たので、やかんの材質による温まり方の違いを確認しました。
時期が梅雨に入っているため最高温は低いのですが、それでもある程度の特性の比較はできます。
検討にあたって比較対象となるのは、
常々愛用しているほうろう黒やかんです。
温水箱の底と扉側にはアルミの反射板を取り付け、畑の測定サイトで南側に向けて測定を行いました。
<銅やかん>
銅は非常に熱伝導率の高い材料ですので、受けた熱をすぐに水に伝えて加熱しやすく、一方で太陽の光が弱くなると冷えやすいと想像できます。
結果ですが、全体的にほうろうやかんより温度が高くなっていることがわかります。12:30頃は恐らく日射が一時的に強くなったものと思われますが、ほうろうやかんと銅やかんとの温度差が一気に高まっています。
その後日射が弱くなった時の傾向はほうろうやかんとあまり変わりません。
銅やかんにソーラーペイントを施すと加熱能力が高く、冷め方は鉄ほうろうやかんとそれほど変わらないものと思われます。
保温能力が極端に下がっていないのはソーラーペイントの性能によるものでしょう。
<ステンレスやかん>
ステンレスは熱伝導率が低い材料ですので、やかんはなかなか温まりにくく、一方で一度温まったら冷めにくいのではと予想しました。
結果ですが、加熱時はほうろう黒やかんとほとんど変わりませんでした。一方で日射が弱くなった後も温度の下がり方が比較的少なく、保温性がより高いことがわかります。
<アルミやかん>
アルミは銅ほどではありませんが熱伝導率が高く、かつコストの安い材料です。
銅と同じように温めやすく、冷めやすいものと予想されます。
結果ですが、ほうろう黒やかんより加熱能力は高く、一方で日射強度が低くなったであろう15:30以降、急激に温度が下がって、最終的にはほうろう黒やかんと同じ程度の温度になりました。
予想の通りとなりましたが、銅やかんより冷めやすいようにも見えます。データが少ないのではっきりとしたことは言えないのですが、この傾向にはやかんのサイズや形、気密性も関係していると思われます。熱伝導率に加えこれらの要素により温まりやすさ、冷めやすさが決まるのでしょう。
<ほうろう鉄やかん>
すでにほうろう引きを施してあるやかんにソーラーペイントを塗装すると特性はどう変わってくるのでしょう?ソーラーペイントにより加熱能力が高まるのか、それとも温まるのを阻害してしまうのか、やってみないとわかりません。
やかんは、いつものほうろう黒やかんでなく、もう一種のほうろうやかん2台としました。
2つのうち1つにソーラーペイントを塗装してあります。
結果ですが、ソーラーペイントを塗装した方がごくごくわずかに水温が高いようにも見えますが、明確な違いは出ていません。塗装したほどのメリットは出てきていないと思います。
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普通に市販品として購入できるほうろう鉄、銅、ステンレス、アルミの各やかんについて比較しました。もっと天候の良い時に、また組み合わせを変えて測定をし直したいですが、それでもある程度の特性を知ることが出来ました。
お湯が最高温になる時間にやかんのお湯を取り込めるならば、銅かアルミのやかんのほうが水温を高くすることは出来るでしょう。
一方で、夕方帰ってきてからお湯を取り込む(最高温の時に取り込めない)という場合は、保温力に優れるステンレスのやかんがふさわしいでしょう。
一方で、ほうろう鉄やかんが極端に特性的に劣るということでもなさそうです。
あとは、銅やかん、アルミやかん、ステンレスやかん、ほうろうやかんについて、材質的な好みや価格の違いがあることでしょうから、総合的に良いと判断したやかんを使えば良いのだと思います。
もっと研究を進めて、ぬくみねっとならではのおすすめソーラーやかんを見出すことが出来ればと思っています。